二次の投票 Quadratic Voting
Quadratic Voting
QVでは、市民一人ひとりに一定量の「ボイスクレジット」が付与され、それを特定イシューに対する投票に使用します。票数当たりその2乗のボイスクレジットが必要で、ある候補者に1票だけ投じる場合は1クレジットの負担で済みますが、5票を投じたければ25クレジットを負担します。ひとつの選択肢に多くの票を投じるコストが高いため、多数派に票が集中する構造を防ぎ、少数派にまで票が行きわたることで多様性をより促進できると考えています。また、QFはこの仕組みを応用して、集まる金額よりも貢献者の数を重視して資金調達や分配を最適化します。
QVは従来の個人主義に適した(多数決などの)原理からさらに進んで、ネットワーク内の人々がホリスティックに協力し合う「多元主義(Plurality)」を促進するアプローチです。多様性がある社会文化的なグループやシステムが、お互いに協力しながら繁栄する社会哲学を、わたしは多元主義だと捉えています。多元主義は“リベラリズム”のように社会集団の進歩を志向し、“自治”や“民主主義”のようにグループ内の一人ひとりに説明責任を負い、共通の目標に向けて異なる社会集団を横断したかたちで協力し合いながらコンセンサスを目指すものです。